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ある日、お月様が日課の散歩をしていると真下から誰かが泣いている声が聞こえてきた。はて、誰だろう。お月様は雲を掻き分け覗いて見ました。すると誰もいない公園で一人の少女が泣いています。あれは確か、サーヤといったかしら。いつもはお母さんと一緒に来ていたのにどうしたのかな。迷子かな。よし、聞いてみよう。お嬢ちゃん、どうしたの。お月様は少女に尋ねました。少女はどこから声が聞こえてきたのか分からない様子であちらやこちらをキョロキョロして探しています。ここよ、ここ。お月様は月光で少女を照らしました。わぁ、キリンさんだ。えっ、私の事。よく見ると手元の雲の隙間がキリンの形になっています。わーい、キリンさん、キリンさん。私、キリンじゃないのだけどな、まあいっか。そうよ、私はキリンよ。あなたはここで何やっているの。うんとね、うんとね。ママを探しに来たの。ここに来ればママが迎えに来るの。ママはお星様になったの。
公開:18/03/10 12:20

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