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ある所に歌う事が大好きな黒猫がおりました。時間があれば屋根の上に登って歌の練習をしています。ニャーニャーニャ―。いつも黒猫は上機嫌です。尻尾を振り振りご満悦です。
あ~なんて私は歌が上手いのかしら。世界中を探しても私以上の歌手はいないわ
フォフォフォ、お若いの、あんたなんてまだまだじゃ
眠そうな顔をした梟が木の上から言いました
いちゃもんは辞めておくれよ。私のどこが駄目なのさ。
フォフォフォ、若い、若いの~。気付いておらぬか。では空を見上げてご覧なさい。何がある
何って、夜空に浮かぶ月しかないじゃない
そうじゃとも、お前は自分で歌っているつもりでも実は歌わされているのじゃ。お月様の掌の上で泳がされているのじゃぞい。誰がお前の舞台に照明を照らしている。誰がお前の歌にバックミュージックを奏でている。全てはお月様のお蔭じゃ。本当に実力がある者は自分から自慢をしないものじゃ。謙虚が大事じゃ。zzZ
公開:18/03/10 12:12

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