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先生、原稿は仕上がりましたか
担当の兎は丸々と太った月に聞いた
まーだだよ
畏まりました。また来ます
先生、もういいですか
再度、兎は聞いた
まーだだよ
少しスマートになった月が返した
そうですか。今度来た時までには完成させてくださいね
もういいかい
兎は嫌味を込めて聞いた
まーだだよ
げっそりと痩せた月が返した
先生、完成させる気はあるのですか。締め切りが近いのです。身を削ってでも完成させてください。このままだと大根おろしのおろし金でゴリゴリと削って、星の砂として売る事になりますよ。今度の今度こそは絶対ですよ
数日後、兎はスキップを踏みながら月の家を訪れると書置きが一枚残されていた
探さないでください。
こりゃ大変だ。兎は周りを捜索しました
んっ、あれは…先生、見つけた
そこには死神に憑りつかれた様な痩せ細った月がいた。月の両手には山盛り料理を抱えていた。そして、こう言った
もう、いいよ
公開:18/03/10 12:05

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