0
185

月日は流れ、いつしか僕たちは疎遠になった。あれほど毎日連絡するねと言っていたメールも次第に途絶えた。遠距離恋愛なんて所詮こんなものなのかもしれない。そして今、僕の隣には別の女性がいる。彼女の名は文月弥生。大学のゼミの後輩だ。共通の趣味である映画の話をしているうちにどこか彼女に惹かれていった
ねえ、弥生さんって彼氏とかいるの
いないよ。君の方はどうなの。彼女いるの
いないよ。多分
あ~、やっぱりいるんだ
ちっ、違うって。彼女とはもう終わっているんだって
そうなんだ。そっか、そっか。いないんだ。ふ~ん
なんだよ、それ。気になるな
こっちの話

そんな甘い日々は長く続かなかった
プルルル、プルルル
ねぇ、今すぐ来て。来なかったら手首切って死んでやるから
彼女の闇の部分が徐々に姿を現した。
いつからだろう。あの蜜月の日々が消えたのは。いつなのだろう。あの日々が戻って来るのは。あの空に浮かぶ月の様に
公開:18/03/10 13:12

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容