桜子さんの箱

突然ですが、皆さんは箱と言われて何を思い浮かべますか？
私の箱は仕事で慣れ親しんだこのスタジオ。長年連れ添って来ましたけど、先日新しい一面を見つけ、いや聴いたんです。
それはラジオ原稿をチェックしていた時のことで、ペン回しをしながらチェックしていたら、ペンが手からポーンッと壁際まで飛んでしまって。
ペンを拾いに屈んだら、音が聴こえたんです。チーンという鐘の音が3回。
空耳と思ってペンに手を伸ばしたら、今度は違う音の旋律。
私、楽しくなってしまって！ペンも原稿も忘れて壁際で耳をそばだてちゃった。
その内によく知る音が流れたんです。間違えようもありませんよ。だって、私が担当の番組『ティータイムをあなたと』のジングルだったんですもの。
それを聴いた時、あの句を思い出しました。『閑さや岩にしみ入る蝉の声』
きっと私達が毎日のようにラジオを流すから、いつの間にか箱に染み付いたのかもしれませんね。