鏡が映すモノ
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私は自分の顔が嫌いだった。鏡に映る自分の顔を見たく無かった。
だから、私は部屋の鏡を黒く塗り潰した。何も映さないよう執拗に。
だから、私は部屋の窓を黒く塗り潰した。光を反射しないよう執拗に。
だから、私は私を映すあらゆる物を黒く塗り潰した。
そして、私の部屋は黒で満たされた。
嗚呼、もう何も見えることは無い。何も私を映すことは無いんだ。
『寂しいよ。苦しいよ。』……何か聞こえてきた。
私は辺りを見回す。何も見えることは無い。
この声は何処からするのか。音源の在り処を求めて、ふと気付く。
これは、私の内より聞こえているのだ。私の真実の心を映しているのだ。
やめて!そんなもの知りたくない。
思わず耳を塞ぐが、声が止むことは無い。
当然だ。心の鏡は黒く塗り潰すことなんか出来はしないのだから。
自分の心に嘘はつけないのだから。
だから、私は部屋の鏡を黒く塗り潰した。何も映さないよう執拗に。
だから、私は部屋の窓を黒く塗り潰した。光を反射しないよう執拗に。
だから、私は私を映すあらゆる物を黒く塗り潰した。
そして、私の部屋は黒で満たされた。
嗚呼、もう何も見えることは無い。何も私を映すことは無いんだ。
『寂しいよ。苦しいよ。』……何か聞こえてきた。
私は辺りを見回す。何も見えることは無い。
この声は何処からするのか。音源の在り処を求めて、ふと気付く。
これは、私の内より聞こえているのだ。私の真実の心を映しているのだ。
やめて!そんなもの知りたくない。
思わず耳を塞ぐが、声が止むことは無い。
当然だ。心の鏡は黒く塗り潰すことなんか出来はしないのだから。
自分の心に嘘はつけないのだから。
ホラー
公開:18/03/09 21:56
月の音色にて噂を聞きまして。
よろしくお願いいたします。
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