炭酸地球史

始まりは飲料メーカーの販売戦略だったろうか。
『コーラとソーダ、君はどっち派！？』

そのキャッチコピーはテレビCMやSNSを通じて全国に広まった。人々は競い合うように炭酸を買いに走った。飲料メーカーの売上は倍増した。

製菓メーカーもそこへ便乗した。炭酸に合うお菓子が次々と発売された。炭酸に反応して味が変わっていくお菓子なんて物もあった。人々はさらに熱狂した。

そんな一大ブームをマスコミや政府が煽りに煽った。どうやら視聴率と消費の拡大は密接な関係にあったらしい。

熱は煽られ…火種と化した。人々は争い、それは紛争となり戦争となり地球全体を巻き込んだ。生産されるほとんどが武器と炭酸となっていった。

やがて、どこかの国の博士が気付いた。気温と海面の上昇…地球温暖化の進行に。
人々のゲップは地球全体を包み込んでしまったのだ。