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一体どうしてぼくの机の中に相田佳代子のノートが入っているのだろう。気づいてしまってからというものの、脳内の小人たちが大騒動を起こしている。落ち着け、と言い聞かせる。小さく深呼吸をした。オレンジが彩る教室の片隅で、3人の女子グループが談笑している。その中に相田佳代子の姿をとらえる。
「あ、もう終わったの?」
ぼくに日誌を押しつけた女子の一人が言う。
「うん、出しておくから先に帰っていいよ」
というか押しつけた時点で帰ってもらってよかったんだけど。なぜ女子は用もないのに放課後の教室に残りたがるのか、ぼくには不思議でしかたない。
ただ、今日は別だ。ぼくは相田佳代子が帰る前にノートを渡さなければならない。おそらくは配り間違えられたのだろうが、変に誤解されてしまってはたまらない。できるだけさりげなく自然に、このミッションをやり遂げなければ!
「相田は残って」
退散した女子2人の顔を見て、失敗を知る。
「あ、もう終わったの?」
ぼくに日誌を押しつけた女子の一人が言う。
「うん、出しておくから先に帰っていいよ」
というか押しつけた時点で帰ってもらってよかったんだけど。なぜ女子は用もないのに放課後の教室に残りたがるのか、ぼくには不思議でしかたない。
ただ、今日は別だ。ぼくは相田佳代子が帰る前にノートを渡さなければならない。おそらくは配り間違えられたのだろうが、変に誤解されてしまってはたまらない。できるだけさりげなく自然に、このミッションをやり遂げなければ!
「相田は残って」
退散した女子2人の顔を見て、失敗を知る。
青春
公開:18/03/08 23:11
更新:18/04/08 22:08
更新:18/04/08 22:08
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400字のことばを紡ぎます。
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