靴下遭難日記

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ある日、俺は洗濯機の裏の狭い隙間に落ちていた。
これはかなりヤバイ状況だ。
こんな暗くジメジメしたカビ臭い所で靴下人生を終えるのは嫌だ。
俺たちは穴が空くまで使われて一生を終えたいのだ。
それに、このままでは俺の相棒も捨てられてしまう。そんな靴下仲間の末路を何度も見てきた。
「やあ」と上から声がする。
新顔の縞々模様の靴下だ。
「僕がいるから君はもう用済みだよ」
…嫌な奴だ。
あっ!
隣に落ちてきた縞々が「ぁぁぁしまった」と頭を抱える。
要救助者が増えてしまった。

それから俺たちはジッと救いの手を待つしかなかった。

もういったい何日過ぎたのだろうか…
骸と化した縞々野郎は、すでに片割れが捨てられてしまったようだ。
そんなある日、洗濯機が壊れるという奇跡が起こり、俺は発見された。
…ぁぁ…助かった

「奥さん、奥に靴下が2つ落ちてましたけど」
「汚いから捨てておいて下さい」

…ガーン
ファンタジー
公開:18/03/07 13:38

Kato( 愛知県 )

ヘルシェイク矢野のことを考えてたりします
でも生粋の秦佐和子さん推しです

名作絵画ショートショートコンテスト
「探し物は北オーストリアのどこかに…」入選

働きたい会社ショートショートコンテスト
「チェアー効果」入選

ありがとうございます

 

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