おかきな話

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ある日、宅飲みをしていたときのこと。
「えー、今、すごく香ばしいおかきがあったんだけど」
一緒に飲んでいた女の子がいった。
「これじゃない?」
「どれどれ……あ、これだ! どうして、わかったの? こんなに種類が豊富なのに」
「味が違うよ」
「あなた、おかきソムリエみたいね。あなたならなれるかも」
「何に?」
「おかきを極めた者だけにあたえられし称号おかキング」
「!?」
だ、だ、だせぇ。
「とりあえず、試験だけでも受けてみなよ。協会に知り合いの人がいるの」
「嫌だよ、おかキング」

それから数年、世界大会を制した僕はおかキングとなった。
彼女の目に狂いはなかった。
これはソムリエ試験に合格した日に知ったのだが、彼女は協会が造り揚げたおかき人間だった。
宅飲みに潜入しては、つまみにおかきを忍ばせ、若い才能をスカウトしていたとか。
なるほど。
どうりで彼女の座っていた場所が粉っぽかったわけだ。
その他
公開:18/03/06 12:54

そるとばたあ( 神奈川 )

★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!

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