考える花

博士、大変です。博士の頭に花が生えています。
ああ、これは考える花だよ。根も葉もない噂が辺りに広がると人に付着するんだ
それは一体どの様なものなのですか。
まあ、一種の花粉症だな。
あれっ、あの人、私を指差して笑っている。なんで。どうして。何で笑ったの。もしかして私、今日の服装が変だった。髪に寝癖でもついていたかしら。鼻毛がでていた。そんなはずがないわ。ちゃんと鏡の前で確認したもの。それじゃ、やっぱり私の思い過ごし。いや、あの笑い方は私を馬鹿にしているわ。もしかして私の知り合い。知らないわ。あんな顔を見た事が無い。忘れているのかしら。幼稚園の頃から順番に思い出してみよう。成長している事も考慮してモンタージュを頭に描こう。ああ、やっぱり思い出せない。一体、私のどこがおかしいの。誰か教えて。
・・・と、まあ、そんな風に困っている人間を見て花はニヤリとする。業界ではこれを花で笑うと言うんだ。