本は忘れない
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僕の本棚には小人が住んでいる。
悪戯っ子で、僕を困らせる可愛いやつだ。
作家順に並べた本がぐしゃぐしゃになっていたり、本がコトリと落ちたり。「こら!」と叱ると、笑い声が棚の奥から響く。
そんな本棚とも、今週でお別れだ。
結婚を決め、長年住んだ実家を出る。これを機に、殆どの本を売ろうと決めた。
手前から順に箱に丁寧に閉まっていく。
あ、赤川次郎。大好きな三毛猫ホームズ。初めて読んだのは小学4年生だった。
本を手に取る度、読んだ場所、匂い、感情、全てが走馬灯のように僕を駆け抜けた。
その時、あいつが居ないことに気づいた。どこかに引っ越したのかな…悪いこと、したな。
背徳感と共に、残りの本に手をかける。しかし、最後の一冊を見て僕はハッとした。
「床下の小人たち」
小学校にあがる頃、母に買ってもらった宝物。いつか自分の子供に読んで聞かせたかった。
「ここに、いたんだね。」
悪戯っ子で、僕を困らせる可愛いやつだ。
作家順に並べた本がぐしゃぐしゃになっていたり、本がコトリと落ちたり。「こら!」と叱ると、笑い声が棚の奥から響く。
そんな本棚とも、今週でお別れだ。
結婚を決め、長年住んだ実家を出る。これを機に、殆どの本を売ろうと決めた。
手前から順に箱に丁寧に閉まっていく。
あ、赤川次郎。大好きな三毛猫ホームズ。初めて読んだのは小学4年生だった。
本を手に取る度、読んだ場所、匂い、感情、全てが走馬灯のように僕を駆け抜けた。
その時、あいつが居ないことに気づいた。どこかに引っ越したのかな…悪いこと、したな。
背徳感と共に、残りの本に手をかける。しかし、最後の一冊を見て僕はハッとした。
「床下の小人たち」
小学校にあがる頃、母に買ってもらった宝物。いつか自分の子供に読んで聞かせたかった。
「ここに、いたんだね。」
ファンタジー
公開:18/03/04 11:37
結婚し、幸せになりを潜めて3年。
再び書きたくて登場。
多分そのうちまた消える。
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