ポケットに彼女をいれて

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 愛した彼女はどこへ行った。彼女はどこへ。ある日突然、彼女はこの世からいなくなった。彼の目の前から霧が晴れるように消えた。ポケットの中にある携帯の中に彼女のアドレスがあるがそれは意味をなさないだろう。彼は無駄なことだと念じながらも彼女にメールを送った。
 「いま、どこへいるの?」
メールは彼女の携帯へ送信された。すぐに彼の手に振動が走った。当然メールが本人に届かない旨を知らせるメールだと確信し、ページを開いた。
 「今ここにいます」
一面黒で埋め尽くされた場所を背景に、彼女は映っていた。
 「そこはどこ」
と何も考えず彼女の携帯にメールを送る。すぐに返ってきた。
 「0と1の世界よ」
彼女がピースした写真が添付されていた。

 彼はすべてを理解したかのように携帯を閉じた。何歩か歩いて立ち止まり携帯を開いた。
 「そこにいたんだね」
と彼女へメールを送信し大団円を迎えたように歩いた。
 
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公開:18/03/03 23:44

ヒルタ

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