猫になりたい

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放っておいて欲しいときは、私が触れると逃げていく。構って欲しいときは、私が携帯をいじっていると腕を噛む。飼い猫のアクアは、なんとわがままな性格だろう。そのくせアクアが体調を壊せば、家族の全員が心配をする。アクアは幸せ者だ。
気分気ままでも愛されるなら、私だってそうしたい。例えば私が恋をした相手に、私は自己中になってみせる。
「あっちに行ってよ。」
「もっと構ってよ。」
私だって猫になりたい。でも自分のわがままは、アクアとは違って、誰も許してくれないのだろう。なんて不平等な……
私は自分の向かい側で眠るアクアの頭を、軽くポンっと叩いた。
「あんたは何てわがままなの!」するとアクアは不思議そうに私を見た。その呆然とした表情が、またすごく愛しくて。
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公開:18/03/03 21:05

hiraginosyuha

小説家を目指して、日々、公募に出すための小説を書いています。温かい目で見守って頂ければ幸いです。
twitterをしているので、よければ目を通して下さい。@hiraginosyuha
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