パンダ

パンダに似ていると言われた。「あんなに可愛くない」と眉をしかめたけれどすこしうれしかったので、せめて自分なりに共通点を見出そうと思い、グーグル先生を頼ってみる。なるほどお、と思った。見た目はおっとりしているが、実はどう猛。私はそれを声に出して読んだ。そうしたら、以前よりもずっとパンダを好きになっちゃった。

それからは、似ている動物は？と聞かれると、パンダか、おなじ理由でコアラと返すようにしている。そういえば、さくさくぱんだもコアラのマーチも小さい頃から大好きだったな、と思い出したのはつい最近のこと。人間は本能的に自分の本質と近いものを好きになる習性があるのかもしれない。

きっと、自分の「なんとなく」とか「好き」とかいう曖昧で微細な感覚ほど頼りになるものなんてこの世にはなくて、名言とか法則とかいう会ったことない偉い人の仮面の中身は空洞なんだろう。ほんとうの言葉を話して、聞きたい欲求。