カメラの向こう

そこのポニーテールが可愛いお嬢さん。あなたはカメラのモニターに興味ありませんか。
あら、嫌だ。私これでも子持ちの母親ですのよ。
これは失礼しました。あまりに魅力的だったもので。健康的な肉体が。さぞや高額な年会費を払ってフィットネスクラブにでも行っているのでしょう。
いいえ、私は日常的に散歩やランニングをしているだけよ。
いや～そんな事で若さを保っているなんて信じられません。
まあ、人からは草食系だとか、癒しの仕事が似合うね、なんて言われるわね。
そうでしょう。学生と仰っても誰も疑わないですよ。
そんなことを言って、私を騙してデジカメの液晶部品でも売りつけるのでしょ。
とんでもない。この商品は仮想現実が見える眼鏡風のカメラなのです。
へえ～確かにすごいわね。でも、馬の耳に念仏、違った。馬の目にカメラなんかつけてどうしようと言うのかしら。あらっ、いないわ。きっとどこかで道草を食っているのね