たまごサンド

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空腹で頭が正常に働かなかったに違いない。でも確かに露店の看板には「たまごサンド」とあったのだ。一体なんなんだろうこれは。
紙袋から出てきたのははたまご型の石だった。
文句を言いに引き返すとお店は跡形も無くなっていた。食えもしない物を買わされてしまった。てか質感で気付けよ私。
家に戻った私は、空腹からくるイライラのあまり、たまご石を床に叩きつけた。


するとどうだろう。床でたまご石はぱっくりと割れ、砕けた部分の石は綺麗な黄色い砂になった。私はイライラも忘れて思わずその砂に触れる。粒が細かくてさらさらとしていた。手に取り指の隙間から落とすときらきらと光って、落ちた砂で出来た小さな山は、写真で見た美しいサハラ砂漠を思い出させた。


私はたまご石の塊を全て砕き、砂時計を作った。
砂時計で時間を計ると、極上のゆで卵が作れた。そしてゆで卵で作るたまごサンドは、イライラも幻になってしまう味だった。
ファンタジー
公開:18/03/02 12:39

砂塵

読んでいただきありがとうございます。
話のおもしろさ云々はひとまず置いといて、とりあえず一本完結させることを重視して書いてます。
朗読ラジオ「月の音色リスナー」です(^o^)/
低浮上中なのでコメント返し遅れるかもですが必ずお返しします。

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