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あれから何十年経っただろう
僕は大人になり、実家からも出て、バスにも乗らなくなったけれど、当時の駅は駅舎が建て替えられて、からくり時計などが設置されているらしい
全国ニュースで流されるのを見て、写真を撮りにぶらっと行ってみた
そうだ、あのあたりにベンチ、その隣にジュースの自販機…濃いオレンジ色の甘いジュースだった…僕は駅舎やバス、そのあたりの風景をカメラに収めていった
「おばあちゃん!また来てたの?」
ツインテールの中学生くらいの女の子が、背中を丸めた老婆に声を掛けている
「だって、あの子がまた泣いてたら可哀想じゃろ」
「んもう、おばあちゃん、また昔の話してるんだから!その子はちゃんと帰れたと思うよ。大丈夫だから家に帰ろ!」
老婆の手からチリンッと輝く物が落ち、僕の足元に転がってきた
50円玉!
僕はその50円玉をゆっくり拾い
名も知らぬ2人に向かって
一歩一歩進んでいった
僕は大人になり、実家からも出て、バスにも乗らなくなったけれど、当時の駅は駅舎が建て替えられて、からくり時計などが設置されているらしい
全国ニュースで流されるのを見て、写真を撮りにぶらっと行ってみた
そうだ、あのあたりにベンチ、その隣にジュースの自販機…濃いオレンジ色の甘いジュースだった…僕は駅舎やバス、そのあたりの風景をカメラに収めていった
「おばあちゃん!また来てたの?」
ツインテールの中学生くらいの女の子が、背中を丸めた老婆に声を掛けている
「だって、あの子がまた泣いてたら可哀想じゃろ」
「んもう、おばあちゃん、また昔の話してるんだから!その子はちゃんと帰れたと思うよ。大丈夫だから家に帰ろ!」
老婆の手からチリンッと輝く物が落ち、僕の足元に転がってきた
50円玉!
僕はその50円玉をゆっくり拾い
名も知らぬ2人に向かって
一歩一歩進んでいった
その他
公開:18/03/02 09:42
更新:18/03/02 18:45
更新:18/03/02 18:45
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