文句
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なんとなく散歩に出たら、すれ違い様におばさんに声をかけられた。
「ちょっとあなた」
「はい、なんでしょう」
「道にごみを捨てないでくれるかしら」
僕は生まれてこの方ポイ捨てなどしたことはないのに。誰かと見間違えでもしたのだろうか。
「あなたの靴が擦れて、細か~いゴムを道に落としてるじゃない」
「そんなこと言われても」
「今もあなたの口から唾が散布されたわよ」
むちゃくちゃを言うおばさんだ。これが所謂クレーマーというやつか。関わらないのが一番だろうが、好奇心から反論してみることにした。
「でも僕だけの話じゃないでしょう。あなたにもきっと、同じことが言えると思いますよ」
「私はいいのよ」
「そんな、理不尽な。納得できませんよ」
「だって、私自身がそうなんだもの」
おばさんはニヤッと笑い、その輪郭は段々ぼやけていき、遂には消えてしまった。
なんだか妙に納得してしまった。
きっといつかは、僕も……
「ちょっとあなた」
「はい、なんでしょう」
「道にごみを捨てないでくれるかしら」
僕は生まれてこの方ポイ捨てなどしたことはないのに。誰かと見間違えでもしたのだろうか。
「あなたの靴が擦れて、細か~いゴムを道に落としてるじゃない」
「そんなこと言われても」
「今もあなたの口から唾が散布されたわよ」
むちゃくちゃを言うおばさんだ。これが所謂クレーマーというやつか。関わらないのが一番だろうが、好奇心から反論してみることにした。
「でも僕だけの話じゃないでしょう。あなたにもきっと、同じことが言えると思いますよ」
「私はいいのよ」
「そんな、理不尽な。納得できませんよ」
「だって、私自身がそうなんだもの」
おばさんはニヤッと笑い、その輪郭は段々ぼやけていき、遂には消えてしまった。
なんだか妙に納得してしまった。
きっといつかは、僕も……
ファンタジー
公開:18/03/01 03:42
更新:18/03/01 10:34
更新:18/03/01 10:34
ショートショート好きです
学生やってます。
Twitter @n_ak_as
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