花柄の猫

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僕は猫を見るとついつい追いかけてしまう習性がある。

深夜、徒歩で帰っていると、見知らぬ猫に出会った。
街灯に照らされた猫は白地に黒の斑模様だ。近づいて見ると、斑がすべて花の形だ。

僕は花柄の猫に心を奪われ、後をつけた。猫は狭い路地裏を抜け、更地に入っていった。人が立ち入れないようにロープがかかっている。猫は僕の方を一度振り返ると更地の奥へと消えていった。

それからも徒歩で帰るときは更地の前を通り猫を探した。
猫は更地の横の塀の上から僕をじーっと見下ろすだけで、僕たちはお互いに適当な距離を保っていた。

ある日、更地に新しい家が建つと知った。あの猫はどうするのだろう。

気になって更地に向かうと、更地があったはずの場所は美しい花畑になっていた。
作業をするはずの人々は困惑していた。


花畑の横の塀の上には猫の姿があった。真っ白になった猫は「どうだ」と言わんばかりの顔で僕を見下ろした。
その他
公開:18/02/28 23:40

ぱせりん( 千葉 )

趣味は映画鑑賞、観劇、スポーツ観戦、美術館めぐりです。

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