花と写真と私と

私の恋人は写真を撮ることが好きで出かけるときは必ずカメラを持っていく。
どうやら最近は花の写真を撮ることにハマっているらしく、彼は私にいつもたくさんの花の写真を見せてくれた。

でも、そんな彼に実はちょっぴり不満がある。

デートをしているときも写真ばっか撮っていて、私にはちっとも構ってくれないの。もっとたくさんおしゃべりして笑ったりしたいのに。

私がそんなことを考えているなんて夢にも思っていない彼はまた花の写真を見せてくる。
すると、私はある花の写真に心奪われたの。

「この花、綺麗だね...」

イライラしていたはずなのに、私の口からポロっとそんな言葉が。

「綺麗だろ？この前デートした時に撮ったんだ。」

そんな会話から数日が経ち、今日は私の誕生日。

「誕生日、おめでとう。」

そう言って彼は、キラリと輝く指輪に束ねられた花束を私に渡してきたの。
この前、私が心奪われたあの花の。