花かんむり

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花かんむりの作り方を教わった。お姉ちゃんが指をせっせと動かすと、ばらばらだったシロツメクサは房になった。
「ほら、完成」
お姉ちゃんは作った花かんむりを頭にかけてくれた。
「似合わないでしょ」
そう言うと
「よく似合ってるよ」
お姉ちゃんはからかうように笑った。

「わあ、上手。私全然うまくできない」
「ゆっくりやればできるよ」
彼女は困ったように笑った。
「ほら、完成」
彼女の頭にかけてやる。
「似合わないよ」
彼女がそう言うので、
「似合ってるよ」
と言ってあげた。
「どうしてそんなに上手いの?」
「子供の頃この公園に来て、お姉ちゃんに教わったんだ」
彼女は首を傾げる。
「お姉さんいたっけ?」

あの日、迷子になってここで泣いていた。その時お姉ちゃんが花かんむりを教えてくれた。
でも後で見つけてくれた両親が言うには、そこにいたのは花かんむりを被った僕だけだったという。
ファンタジー
公開:18/02/28 20:46
更新:18/02/28 20:51

砂塵

読んでいただきありがとうございます。
話のおもしろさ云々はひとまず置いといて、とりあえず一本完結させることを重視して書いてます。
朗読ラジオ「月の音色リスナー」です(^o^)/
低浮上中なのでコメント返し遅れるかもですが必ずお返しします。

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