言葉との関係

どうして伝えなくちゃいけないんだろう。必要だし大切だとは思うんだけれど、言葉を紡ぐと伝えるはまったく別の行為みたいに思うよ。情報のための言葉はコミュニケーションの道具以上になれない。内側にあるほんとうの言葉はもっと自由なはずなのに、この世界でそのまま外に出す技術を自分は持ち合わせていなくて、もしあったとしても完全に解き放ったりはしないのだろう。なに言ってんのかわからないくらいがちょうどいいのかもしれない。相手を理解したいと思うことはあるけれど、バナナの皮をいくら見つめたところで中身までは見えないみたいに、ほんの一部分でその人のすべてを理解したつもりになれるほど傲慢ではなかった。かと言って断りもなしに皮を剥がしにかかるなんて最最最低の暴力。終わらせ方がわからなくなってきた、こういうのが紡ぐのいいところだと思う。そして同時に欠点。だから伝えるが苦手な人間にとって言葉は救世主でもあるんだろう。