人食いブドウ
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ぼくの小学校ではいろんな果物を育てていた。
自分達で育てた果物はどれも美味であったが、何よりもブドウが人気だった。
裏庭から二本の木が生えていて、それが二階のテラスまで伸びている。テラスはブドウ棚になっており、秋になると緑色の果実を全校生徒が一房ずつ収穫し、その場で食べたりお土産にしたりしていた。
ある秋の放課後、ぼくは校舎へ忘れ物をとりに戻った。
その時、今テラスに忍び込めばあのブドウをつまみ食いできるのではないか、と思いテラスに目をやると、なんと鍵が開いていた。ぼくは迷わずテラスへ向かった。
テラスに出ると、ぼくは淡い緑色の宝石のような光に包まれた。
ブドウの葉の隙間や果実を夕陽がキラキラと透過し、まるでぼくの方がブドウに食べられ取り込まれてしまったかのような感覚を覚えた。
美しさに圧倒され、しばし言葉を失ったぼくは、テラスをあとにした。
宝石のカケラは一粒だけくすねてきた。
自分達で育てた果物はどれも美味であったが、何よりもブドウが人気だった。
裏庭から二本の木が生えていて、それが二階のテラスまで伸びている。テラスはブドウ棚になっており、秋になると緑色の果実を全校生徒が一房ずつ収穫し、その場で食べたりお土産にしたりしていた。
ある秋の放課後、ぼくは校舎へ忘れ物をとりに戻った。
その時、今テラスに忍び込めばあのブドウをつまみ食いできるのではないか、と思いテラスに目をやると、なんと鍵が開いていた。ぼくは迷わずテラスへ向かった。
テラスに出ると、ぼくは淡い緑色の宝石のような光に包まれた。
ブドウの葉の隙間や果実を夕陽がキラキラと透過し、まるでぼくの方がブドウに食べられ取り込まれてしまったかのような感覚を覚えた。
美しさに圧倒され、しばし言葉を失ったぼくは、テラスをあとにした。
宝石のカケラは一粒だけくすねてきた。
ファンタジー
公開:18/03/01 15:13
登場することが趣味です。
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