スイミー

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母が僕達三人の息子に言った。
「皆でスイミーになろう。なら、パパなんて怖くないからね。皆で力を合わせよう?」
母がその言葉を言った数十分後、父が家の玄関に現れた。毎日のように母を嗚咽させていた父が、この日はいつもと違う形相をしていた。
「俺と一緒に死んで欲しい。」
母はその言葉を聞くと、すぐさまトイレの中に逃げて、二人の弟も父に怯えたのか、いつの間にかいなくなっていた。
「もうやめてよ……」
独りぼっちの僕がそう言うと、父は僕を連れ出して、自らに延々と、話の筋のない説教を始めた。
僕は声をあげて泣いた。自分は弱い人間だ。だから母を助けられない。きっと明日も、母は……
僕が泣いていると、トイレから出てきた母が、涙に暮れる僕を泣きながら抱き締めてくれた。
「もうやめて……」
僕は涙する母を見て泣きじゃくった。
小学生のときの記憶が、未だに目前に現れる。だから僕は「スイミー」と題する話を書いた。
その他
公開:18/02/27 20:55

hiraginosyuha

小説家を目指して、日々、公募に出すための小説を書いています。温かい目で見守って頂ければ幸いです。
twitterをしているので、よければ目を通して下さい。@hiraginosyuha
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