流れる渋谷

渋谷のスクランブル交差点。人通りの多さでは日本有数だろう。毎日が花火大会の河原のようだ。毎日毎日人々はスクランブル交差点を踏みしめて歩く。

ある日、スクランブル交差点は思った。

「痛い」

踏みつけられる日々に耐えられなくなってきた。どうにかして、踏まれずに人々を交差点の向こう側に運べないだろうか。
考えた。
三日三晩考えた。

流れる交差点はどうだろう。水洗トイレのように、水の勢いで人々を流す。
問題は水をどうするかだ。巨大なタンクを作るわけにもいかないし。
ここは一つ、気象に協力してもらうか。大雨を降らせてもらえば、土地の低い渋谷は水たまりとなる。これを一気に流せば目的が達せられる。

そんなわけで、昨今東京はゲリラ豪雨が多くなったのです。