ブーケ・インパクト

短大時代の友達が結婚式の招待状を送ってきた。友人の結婚は初めてだ。緊張しつつ出席に◯をした。
ハガキに「女性の方々が持ち寄った花束でブーケトスを致します」と書いてある。へえ、と思い、前日に花束を買った。

式の日。列席者は多く、ほとんど女性だった。なんでも、友人は女性雑誌の編集者、新郎はモデル事務所の社長だという。私は友人たちと再開して大いに盛り上がった。式は順調に進み、待望のブーケトス。私はキャッチして彼氏の匠に見せてやろうと思っていた。
「これよりブーケトスを行います。本日は沢山のお客様から花束を頂き、ブーケは大変大きくなっております。重量、18.5kgです。カタパルトにて射出致します。では、新郎新婦によるロープカットです！」

そして私は花束の下敷きになった。
もがきながら目が覚めた。妹の翠が顔の上で寝ていた。ああ、夢か、と思いながら、式に持参する花は一輪だけにしようと思った。