習作3
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木枯らしの吹く公園でひとりベンチに座る男がいた。男は毎日のように公園に来て同じベンチに座る。そして文鳥が降りてくるのを待つ。文鳥の群れは男のことを知っている。彼のベンチの周りに座り、餌を要求するのだ。男もまた慣れたように「文鳥、ほれ。よく食べろ」と言って、バッグからパン屑を取り出して文鳥に食べさせる。
公園を散歩する二人の青年が男の近くを通りかかった。
「あのおじさん、鳩のこと文鳥って呼んでる」
「ああ、あれはこの街の名物おじさんさ。飼っていた文鳥が家から飛び出したショックから見る鳥全てが文鳥に見えるらしい。かわいそうに」
今日も男の「文鳥、ほれ。よく食べろ」という言葉が静かな公園に響いている。
公園を散歩する二人の青年が男の近くを通りかかった。
「あのおじさん、鳩のこと文鳥って呼んでる」
「ああ、あれはこの街の名物おじさんさ。飼っていた文鳥が家から飛び出したショックから見る鳥全てが文鳥に見えるらしい。かわいそうに」
今日も男の「文鳥、ほれ。よく食べろ」という言葉が静かな公園に響いている。
その他
公開:18/02/28 09:10
だんごむしのだんごちゃん。まるくなって空を見つげる。
ツイッター @Fdng7
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