小学校の桜

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始まりは三女の翠の言葉だった。
「学校の桜がさ、もう花が咲かないから切られるの」
二人の姉も通った小学校。もちろんその桜のことは知っている。
「私の頃は咲いてたのに」
長女の葵は言った。今は数えるほどしか花をつけないらしい。それでも、と翠は言った。
「かわいそうだよ」
三人は桜を見に行った。わずかなつぼみをつけて佇む桜を見て、三人は答えを出した。それは、桜色の鶴を折ることだった。伐採の日、折鶴で飾った桜の下で花見をやる。そして伐採をやめさせる。そのために鶴を1万羽折ると決めた。友達や近所の人に呼びかけた。沢山の人達が参加してくれ、ひと月かけて鶴を折り、飾っていった。
けれど、伐採の前夜は大雨だった。濡れた鶴の重みで枝が折れる危険があり、仕方なく鶴をはずした。
「明日、鶴を見せてお願いしよう」
翌朝、桜の下に集まった人たちは息を飲んだ。桜が満開の花を咲かせていたのだ。伐採は取りやめになった。
青春
公開:18/02/28 04:10
三姉妹 プチコン

射矢らた( 大阪南船場 )

2018年2月8日SSG登録
Twitter:https://mobile.twitter.com/iruya_rata


<三姉妹シリーズ>
親もとを離れて暮らす三姉妹の暮らしを
ショートショートで綴ります。
長女・葵(あおい) 社会人
次女・茜(あかね) 高校生
三女・翠(みどり) 小学生

そのほか1話モノも書きます!
 

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