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陽子が自転車を止めた先では、
マラソン大会が今まさに行われようとしていた。
「選手の方はこちらに集まってください」
スピーカーフォンから声が響き渡る。
だが、その声を聞く選手は皆憂鬱そうだ。
集まった選手から
「痛て!」「いたたた」と叫び声が次々と聞こえたため陽子は何事かと駆けよった。
「大丈夫ですか?」と聞くと
「いや、、痛みマラソンなんで頑張ります」
「痛みマラソン?」
「はい、このマラソンは心の痛みが数値化され、それを足に本当の痛みとして感じながら走る大会なのです」
「どうしてそんなことを」
「走り終えることができると、心の痛みが消えてなくなるシステムになっています」
「…差し支えなければどんな心の痛みを解消するために参加されるのか聞いてもいいでしょうか」
「実は、娘が一緒にお風呂に入ってくれなくなりまして」
「足の痛みはどれくらいなのでしょうか」
「両方の親指がピリピリしています」
マラソン大会が今まさに行われようとしていた。
「選手の方はこちらに集まってください」
スピーカーフォンから声が響き渡る。
だが、その声を聞く選手は皆憂鬱そうだ。
集まった選手から
「痛て!」「いたたた」と叫び声が次々と聞こえたため陽子は何事かと駆けよった。
「大丈夫ですか?」と聞くと
「いや、、痛みマラソンなんで頑張ります」
「痛みマラソン?」
「はい、このマラソンは心の痛みが数値化され、それを足に本当の痛みとして感じながら走る大会なのです」
「どうしてそんなことを」
「走り終えることができると、心の痛みが消えてなくなるシステムになっています」
「…差し支えなければどんな心の痛みを解消するために参加されるのか聞いてもいいでしょうか」
「実は、娘が一緒にお風呂に入ってくれなくなりまして」
「足の痛みはどれくらいなのでしょうか」
「両方の親指がピリピリしています」
ファンタジー
公開:18/02/25 23:45
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