アイスブレイク

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ずっと続けばいいのにと思うほど楽しい時間がある。
例えば、久々に再会した仲間たちとの思い出話が尽きない夜。
そんな時には話に花が咲く。
名づけられてもいない、たわいもない、だけど鮮やかな花々。
その花を水に入れて凍らせると、氷柱の中に花を閉じ込めた『花氷(はなごおり)』ができるという。
『言の葉』もいくつか一緒に入れておくと華やかさが増してより印象的になるそうだ。
話に咲いた花は大切に家に持ち帰っても、時間の経過と共に色褪せてしまったり忘れてしまったりすることも多いが、花氷にしてしまえばずっと鮮やかなまま保存しておけるのが嬉しい。
今や数少ない花氷職人の元に届く依頼は、次に会う日までこの花を残しておきたいというものが一番多いそうだ。
「再会の時に花氷を眺めたらまた話に花が咲きそうですね」
僕がそう口にすると、職人は笑って言った。
「まずは氷を溶かさないと、話に花は咲かないんじゃないかな」
その他
公開:18/02/25 20:33

天宵 遥

天宵 遥(あまよい はる)です。
普段は別の名前で140文字のTwitter小説をのんびり投稿しています。
言葉遊びや少し不思議なお話が好きです。
SS初心者ですが楽しみながらまったり書いていきたいです。

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