君が枯れてしまったら

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僕は花が大嫌いだった。

「この花は私の分身だよ、大事にしてね。」

同じクラスで園芸部の彼女は僕にそう言った。やっと告白をすることができたのに、彼女は転校してしまうらしい。ずっとずっと遠い場所へ。

まだ子供の僕たちではどうしようもない距離。現実は残酷だってことを初めて知った。

「この花は私の分身だよ、大事にしてね。」

彼女が転校してから、僕は彼女に貰った花を大事に育てた。けれど、頑張った世話の努力もむなしく花は枯れてしまう。奇しくも、同じタイミングで彼女との連絡も途絶えてしまったのだ。

僕は絶望した。
僕は花が大嫌いになった。

花も彼女のことも無理やり忘れようとして数年が経ったある日、何気なくベランダを眺めていると見覚えのある花が咲いていることに気がつく。

「久しぶり!私、もうすぐそっちに戻るんだ!」

見覚えのあるアドレスからのメッセージ。
二人の時間がまた動き始める。
青春
公開:18/02/25 18:14
学園

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