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親父が病気で亡くなった。仕事もせずに毎日遊んでばかりの俺は、親父といつも喧嘩していた。だから、泣いている母を見ながら、暫くは親父の遺産で遊んで暮らせる。そんな風に考えていた。
「庭にある桜を掘り起こすなよ」
死ぬ間際、親父が俺に言った。葬式の後、俺は早速桜の下を掘ってみた。親父の言う事なんか聞いてたまるか。土の中には箱が埋まっていて、中に一枚の紙が入っていた。
『狸の置物の中を覗くな』
何だこれ?俺は庭に置かれた狸の中を覗く。そこにも紙があった。
『植木鉢を裏から見るな』
又か。
『池の側の大きな石を動かすな』
『小屋の天井を見るな』
親父が残した紙はまだまだ続いた。
『これが最後だ。絶対に箱を開けるな』
箱に書かれた文字を指でなぞる。病気のくせに、なんでこんなこと。箱を開けるとやっぱり紙が入っていた。
『真面目に働いて母さんを安心させるな』
馬鹿野郎。親父の言う事なんか絶対に聞くもんか。
「庭にある桜を掘り起こすなよ」
死ぬ間際、親父が俺に言った。葬式の後、俺は早速桜の下を掘ってみた。親父の言う事なんか聞いてたまるか。土の中には箱が埋まっていて、中に一枚の紙が入っていた。
『狸の置物の中を覗くな』
何だこれ?俺は庭に置かれた狸の中を覗く。そこにも紙があった。
『植木鉢を裏から見るな』
又か。
『池の側の大きな石を動かすな』
『小屋の天井を見るな』
親父が残した紙はまだまだ続いた。
『これが最後だ。絶対に箱を開けるな』
箱に書かれた文字を指でなぞる。病気のくせに、なんでこんなこと。箱を開けるとやっぱり紙が入っていた。
『真面目に働いて母さんを安心させるな』
馬鹿野郎。親父の言う事なんか絶対に聞くもんか。
青春
公開:18/02/26 23:16
更新:18/12/30 09:24
更新:18/12/30 09:24
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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