あしたの夢

ある日を境に、私は毎晩夢を見るようになった。

それはちょっと変わった夢で、その夢で見た出来事は次の日必ず現実になる。予知夢って言うと分かりやすいと思う。
何度も経験している内に「翌日私の感情を一番揺さぶること」が夢に出てくるらしいことも分かってきた。
まぁ分かったところで、この予知夢は今の所不可避だからあまり意味はない。
例えばテストで赤点を取る夢を見たら、どんなに足掻いても補習だったし、階段から落ちるって分かっていてもマンガみたいな滑り方をしてしまった。
便利に使えないかと思ったけど、やっぱり良くないことの方が多い。
バースデーサプライズは嬉しいけど、だからこそ夢に出てきて分かっちゃうし。珍しく告白されても、いまいちリアクションが取れなくて困ったりもした。

けど、そんな苦労も昔のこと。社会人になってからというもの、起きて仕事して寝るの無味乾燥な毎日。ぱったりと予知夢は見なくなった。