第25話「最終回」

夜。三人で食卓を囲む。
両親がいなくなってから、もう何百回とこの食卓を三人で囲んできた。私の右隣には次女の茜、そして左隣には三女の翠。この食卓は私たちのこと全てを知っている。
「ついに最終回だねえ」
私はしみじみと呟く。
「いろいろあったね」
翠も感慨ひとしおのようだ。
「でもさ、またこれから別のが始まるよ」
茜はなんだかすっきりしたようだ。私も翠も、そうだね、と答える。
私はこれまであったことを思い返した。仕事場でのシーン、恋愛でのシーン、飲み明かしたシーン。いろいろあった。
全て、今日でおしまいだ。これで、最終回。そう思うと、私はもう涙が滲んで出てきた。
「葵姉ちゃん、もう泣いてるし」
「まだ早いってお姉ちゃん」
そう言う茜も翠も、心なしか目尻が赤い。
「さあ。始まるよ……」
そして1時間後。
私達はテレビの前で怒り狂っていた。
「なんなのよ、あのエンディングは！　クソドラマか！」