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これは秘密だけど、私ね、人の隙が見えるようになったの。
本当よ。隙のある人は半開きのドアみたいな隙間が見えるの。例えばあそこのお客さん、かなり隙があるわ。え?詐欺にあった事がある人なの?やっぱりね。
なぁに?自分も見て欲しいって?
そうねぇ、あなたとは長い付き合いだし、いつも美味しいお酒を作って貰ってるし。何より私の言う事をちゃんと聞いてくれるし。
いいわよ。
じゃあ、こっちを見て。うーん、ここは薄暗いしカウンターが邪魔だし、もうちょっと顔を出してくれる?そうそう、そんな感じ。

次の瞬間、彼女の唇が僕の唇に触れた。GUCCIの香りとサイドカーの味がした。

どうしてって? これは返事よ。
言ったでしょう。私には見えるの。
貴方の「好き」が。
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公開:18/02/25 01:19
更新:19/05/16 19:46

堀真潮

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