変わる酒

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今日は会社の飲み会。部長直々に「変わった酒が飲める」という店を決め、更には座席まで決める熱の入れよう。何を張り切ってたんだ?と思いつつ着席すると、仲の良くない同期、苦手な先輩、生意気な後輩が同じテーブルに。どーすんだ?コレ?みんな同じ事を思ったのか部長を睨むものの、当人はどこ吹く風。
飲み物が運ばれてきて、いざ乾杯。となったが、一瞬にして自分達のテーブルの酒が凍った。他のテーブルは逆に湯気が立ち始めているところもあれば、「不味っ」と言い飲むのを止めるところ、普通に飲み始めているところなど様々な状態になっていた。
乾杯の掛け声をかけた部長が立ったまま「この店の酒。出されたテーブルの空気を読んで色々変わるんだよ。面白いだろ?」と言ってグラスに口を付けた後「今の酒の状態は周りから見た普段の君たちが出してる雰囲気だよ。出されたテーブルに何も問題がなきゃ、美味い酒なんだけどね」と淡々と語った。
その他
公開:18/02/22 01:08
更新:18/02/22 10:57

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