かくれんぼ

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「私ね、最近話したり食べたりした事すぐ忘れちゃうの。だけど小さい時のことはどんどん思い出して、そしたら目の前にかっぱちゃんがいて」
「あれからずっとかくれんぼしてたのに美代ちゃん見つけてくれなくて寂しかったぞ」
「ごめんね。でもこうして見つけれてよかった」
「お母さん何一人で喋ってるの?ホームのお迎え、そろそろだから」
「はーい。(声を潜めて)こうして宿が繁盛してるのはかっぱちゃんのおかげね。ありがとう。娘夫婦と家をお願いね」
「礼なんかいらないから俺はかくれんぼがしたいぞ」
「じゃあ今日は私が先に隠れるね」
「いいよ!」
おかっぱ頭の絣を着た男の子は嬉しそうに目を瞑りました。
「もういいかい」
「まあだだよ」
「もういいかい」
「まあだだよ」
美代子おばあさんの声がゆっくり離れていきます。
「もういいかい」
「まあだだよ」
「もういいかい」

「もーいいかーい」

「もーいーいーかーい」
ファンタジー
公開:18/02/22 00:17
更新:18/02/25 18:03

松山帖句( 松山城の麓 )

松山帖句は俳人になるため修行の旅に出ます。
ここでお会いした全ての人に感謝。
またいつかお目にかかれる日が来ることを願いつつ。
皆さま、ありがとうございました!

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