亜利沙と優奈

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「この数式を因数分解すると…」
数学の教師が、カンカンと音を立てながら黒板に数式を書き連ねる。
「ねぇ、何でノート取ってるの」
優奈がヨガポーズを机の上でとりながら、質問を投げかけてきた。
「授業中だから。てか、あんたは何でヨガやってるのよ」
「健康的だから」
「いやいや幽霊の癖に健康って」
「それを言うならノート取ってる亜利沙もさ。幽霊なのに何で勉強してるのよ」
すると、ふぅとため息を吐き亜利沙はシャーペンを置く。
「それを言うなら何でうちら成仏もせずに学校にずっといるのよって話になるよね」
「あ、確かに!亜利沙天才」
亜利沙はもう一度ため息を吐く。
「あんたが馬鹿過ぎるの。まぁでも今更そんな事どうでも良いけど。そもそもうちら女子高生じゃないしね」
「そうそう女子高生時代に青春を味わえなかったアラサーだしね」
2人はため息を吐き、またそれぞれのスタイルに戻った。
その他
公開:17/09/24 12:51

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