空に浮かぶ林檎
1
288
ある日突然、巨大な林檎が気球の如く空に浮かび上がり、小さな田舎町はたちまちパニックに陥った。
「宇宙人の襲来だ」
「天変地異が起きるぞ」
しかし、いつまで経っても何も起こらない。ただただ林檎は浮いているだけである。すると、黙って林檎を見上げていたこの町の町長がある打算的な思想に辿り着いた。
「この林檎で町おこしをしよう」
SNSでこの話は拡散され、あっという間に町は観光スポットとなった。すっかり寂れていた町は活気を取り戻し、人々は林檎様などと呼び出した。だが、いつかしら鼻を突く様な悪臭が漂い始めた。林檎が腐ってきたのだ。すると、あれだけ林檎様と言っていた町人達がこれを災厄だと言い出した。
「ミサイルで撃ち落とせ」
町長は国に要請し、軍隊により林檎は木っ端微塵。暫くの間悪臭が続いたが、それも消えると皆林檎の事などすっかり忘れてしまった。そして、町はまた寂れて淋しい場所へと戻ったのであった。
「宇宙人の襲来だ」
「天変地異が起きるぞ」
しかし、いつまで経っても何も起こらない。ただただ林檎は浮いているだけである。すると、黙って林檎を見上げていたこの町の町長がある打算的な思想に辿り着いた。
「この林檎で町おこしをしよう」
SNSでこの話は拡散され、あっという間に町は観光スポットとなった。すっかり寂れていた町は活気を取り戻し、人々は林檎様などと呼び出した。だが、いつかしら鼻を突く様な悪臭が漂い始めた。林檎が腐ってきたのだ。すると、あれだけ林檎様と言っていた町人達がこれを災厄だと言い出した。
「ミサイルで撃ち落とせ」
町長は国に要請し、軍隊により林檎は木っ端微塵。暫くの間悪臭が続いたが、それも消えると皆林檎の事などすっかり忘れてしまった。そして、町はまた寂れて淋しい場所へと戻ったのであった。
SF
公開:17/09/23 18:47
ログインするとコメントを投稿できます