廻る・赤い・時間

生まれつき心臓が弱くて、

そのせいか、
私が乗りこなすべき身体は
周りの人達に比べ
どうもノロマで
弱いようだった。

素早く動く事が苦手で、
焦っては指を挟んだり、転んだり。
血圧も低くて早起きも苦手。
環境の変化にも対応できない。

悔しくても、だれしも、
持って生まれた身体で戦うしかないんだ。

私の身体の隅々まで、
『廻る・赤い・時間』は、
人よりもゆっくりで、弱くて、
私を苦しめるばかりだけど、

私はこの血を死ぬまで廻らせて
生きていかなければならない。

幸運な事に
私は歌が歌えるし、
音楽を愛し続けられるから

病気とか、虚弱とか、
そんなネガティブな言葉で
片付けないで。

この血はきっと
進化だと信じたい。

私にしか出来ない事を、
ひとつ、見つけて死ねたなら、
それが、私の大往生なの。