しらたま

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「おまえさ、ご飯食ったばっかなのにまたお腹鳴ってんじゃん。まだ腹減ってんの?」
普段からデブいじりをしてくる彼は私に言った。
「ちがうってば!」

明日こそダイエットを! そう思い立って何度目の夏だろうか。間食をやめないと、いよいよ背中にも肉がつき始めて危うい身体つきだ。かといっていきなり間食をやめるなんて、できっこない。

そんな時、スーパーでみつけたのが『白玉じゃくし』だった。それはコネて茹でるだけの白玉粉。つるんと食べやすい上にローカロリーで好都合だ。
さっそく購入して作り始めると、なんと沸騰したお鍋のなかの白玉が生き物のように泳ぎ始めた。おまけにオタマジャクシのような尻尾まである。なんと気持ちの悪いデザートだろう。触りたくもなかったが空腹には勝てず、私は目をつむって一気に白玉じゃくしを平らげた。

「だから、お腹が空いて鳴ってるんじゃないの。お腹の中で、カエルが鳴いてんの」
ファンタジー
公開:17/08/27 00:33

ぶるーむーん

通りすがりの鼻歌シンガー

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