はあ、苦いなあ
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チビチビの言葉通りに、私は缶ビールを舐めている。十月終わりの夜の公園はほんのり寒い。あまりビールに適切ではない。ベンチに並んで座る咲子は、寒いねーと言いながら、大胆にゴクゴクいっている。私はチビチビだ。チビチビの気分なのだ。
高校時代からの親友の咲子は、三日後に結婚式を控えている。
今日は咲子の独身最後の飲み会だった。終電まで飲み明かそうぜ、などと言い、はしご酒をして最後にこの公園に辿りついた。そろそろ電車、と咲子が言う。残りのビールをゴクゴク飲む。私はやっぱりチビチビだ。この夜がまだ終わって欲しくないから、チビチビだ。咲子、幸せになるのかなと私は思う。
私は悪い友達だから、咲子にはまだ「幸せ」になって欲しくない。終電間際の公園で、一緒にビールを飲んでいたい。帰るよ、と咲子が言う。
「うん、幸せにね」
私は飛び切りの親友の顔をして、半分嘘の言葉を言う。ああ、ビールが苦いなと思う。
高校時代からの親友の咲子は、三日後に結婚式を控えている。
今日は咲子の独身最後の飲み会だった。終電まで飲み明かそうぜ、などと言い、はしご酒をして最後にこの公園に辿りついた。そろそろ電車、と咲子が言う。残りのビールをゴクゴク飲む。私はやっぱりチビチビだ。この夜がまだ終わって欲しくないから、チビチビだ。咲子、幸せになるのかなと私は思う。
私は悪い友達だから、咲子にはまだ「幸せ」になって欲しくない。終電間際の公園で、一緒にビールを飲んでいたい。帰るよ、と咲子が言う。
「うん、幸せにね」
私は飛び切りの親友の顔をして、半分嘘の言葉を言う。ああ、ビールが苦いなと思う。
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公開:25/11/09 06:22
更新:25/11/09 16:24
更新:25/11/09 16:24
小説をいろいろと書く予定で生きています
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たま