非多様的貴方

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 社会は得てして異端者を排除することを好む。多様性と謳いながら、その実態は個々同士がまるで一つの集合体かのように連なって動き、外れた者は異端者として扱われる。今日、世界は正常だった。誰もが笑顔で手を繋ぎ、黙々と働いて、車は滞ることなくサーッと流れていく。だが私は限界だった。これまで長い時間を勤勉に生きてきた。それでも、このまま社会の歯車として一生を終えたくはなかった。たとえ犯罪者を見るような目で蔑まれようとも。
 次の日私は仕事をやめた。そのときの気分と言ったら!まずはどうしようか。旅にでも出てみるのが良いかもしれない。私は道を歩きながら考える。周りにはビルが立ち並び、その窓から幾人か私を気味悪そうに見ている。しかし今の私には微塵も感じなかった。ふと後ろから声がした。
 「がん細胞は排除する。」
私は殺された。
 今日僅かに侵された貴方の体は、こうして再び正常に戻るのであった。
SF
公開:26/01/30 10:23

てっど

ぜひ仲良くしてください。 
高校生です。ジャンルは純文学、詩、SFが多いと思います。
物書き自体を最近始めたばかりなので、いろいろ教えていただけると嬉しいです。
 

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