魔法のランプと時をかける旅

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「ねえ、このランプ、本当に願いを叶えるの?」マリナは目を輝かせた。
「試してみるしかないさ」とユウは小さく笑い、ランプを擦った。すると、青い光が渦巻き、風が二人を包んだ。
「わ、なにこれ?」驚くマリナの手をユウが握る。「落ち着いて、どこかに連れて行かれるだけだ」
目を開けると、古びた城の中庭。咲き誇る花々の香りが甘く漂った。
「ここは…過去?」マリナの声が震える。

光と風が再び巻き起こり、目の前には未知の街並みが広がる。空には空飛ぶ船がゆっくりと漂っていた。
過去も未来も、すべては願い次第。笑い声が風に溶けた。

そしてふと目を覚ますと…
「ここ、僕の部屋?」ユウが呟く。
「え、マリナも?」二人の手を見ると、ランプはただの陶器だった。
「願いは、夢だったのか?」ユウがため息をつくと、マリナは笑った。「でも、私たち、少しだけ強くなった気がするね」
ランプは静かに、机の上で光を漏らし続けた。
ファンタジー
公開:25/11/30 22:49

森康雄( 千葉 )

短い物語の中に、小さな驚きと余韻をそっと閉じ込めています。
読んでくださる方の日常に、ひとしずくの“たのしい違和感”を届けられたら嬉しいです。
よろしくお願いします。

KindleUnlimitedで読み放題です。
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(画像はフリー素材を使用しています。)

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