宝島の秘密を告げる地図

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「見てごらん、これが例の地図だ」
ルカが小さな手紙を広げると、古びた羊皮紙が光を反射した。
「こんなに古い地図、信じられるの?」
「信じるしかないさ。だって、宝島の秘密がここに隠されてるんだ」
風が海の匂いを運び、二人の足元で砂がささやく。
「でも、道には怪物や魔法があるって書いてあるよ」

夜明け前の海にボートを漕ぎ出し、二人は笑った。
「宝島に着いたら、何を最初に探す?」
「秘密の洞窟。それから伝説の花、そして…宝箱」
地図は震えるように光り、風と波の音が彼らを押した。
「さあ、行こう!」
「うん、宝島の秘密が僕たちを待ってる!」

洞窟の奥で、二人が見つけたのは錆びた宝箱。
ルカが開けると、中には空っぽの箱と古い手紙が一通。
「“本当の宝は、ここまで辿り着いた勇気と友情だ”」
二人は沈黙した後、微笑み合った。
「なるほど…宝は僕たち自身だったんだね」
ファンタジー
公開:25/11/30 22:34

森康雄( 千葉 )

短い物語の中に、小さな驚きと余韻をそっと閉じ込めています。
読んでくださる方の日常に、ひとしずくの“たのしい違和感”を届けられたら嬉しいです。
よろしくお願いします。

KindleUnlimitedで読み放題です。
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(画像はフリー素材を使用しています。)

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