7月の木漏れ日

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ジットリとまとわりつく熱気が体力を奪う。まだ7月頭だというのにこの暑さは異常だ。
少し先に夏休みを見据えた小学生たちは無尽蔵のエネルギーを解き放っている。
今週末は、車を20〜30分走らせた所にある、やや大きめな公園に息子2人を連れてきた。

妻と私は木陰にレジャーシートを敷き、冷感シートと手持ちファンを駆使しても、ぐったり気味。
年子の高学年と中学年は、ここでは少しお兄さんらしい。アスレチックの遊び方を教えたりしている。

「子どもの頃は誰でも会っただけで友達だったね」妻が笑う。
そんな気がする。友達をつくるのは一体いつから難しくなったのだろう。
「そうだね。それに昔はもっと涼しかった」
「そーかもねーー」彼女は首を大きく後ろに倒して木漏れ日を仰ぐ。風が吹き抜け、さらさらと長い髪を揺らす。
「でもきっと、この不快感も宝物だよ」
優しく子供たちを見た後、その瞳は真っ直ぐこちらに向けられた。
青春
公開:25/07/03 07:00
更新:25/07/03 06:02

いぬさか( 関東 )

初心者ですがよろしくお願いします。
心に浮かんだシーンを気ままに描いていきたいです。
同名で NOVEL DAYS でも活動しています。

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