密漁者の末路

深い知識と広い世界感で出す本全てが大ヒットになる私。
よく、そのアイデアはどこから浮かんでくるんですか？なんて聞かれる。
浮かんでくる、ではなく、引き上げる、と言った方が正しいな。
私の頭の中は海と同じだ。深い海。広い海。そこへ潜り、アイデアを捕まえる。
何なら試しに私の頭の中を見て見るか？…ほら。凄いだろう。目の間を泳いでいる魚群、それがアイデアだ。
そのアイデアが何かに群がっているって？ああ、それはきっと私のアイデアをかすめ取ろうとした密漁者だな。
私の頭の中の海はその見た目と違い、かなり大荒れでね。一度飲み込まれるともう地上へは出られないと思ってくれ。
私は小説家でありながら、そんな密漁者の遺体の引き上げも行っている。
すっかり魚に食い荒らされ、もう骨しか残っていないな。
どれ、そこの太った魚を一匹捕まえてみよう。密漁者のアイデアが詰まっているな。
さて、それを早速小説にするか。