初恋の思い出

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「皆、今日は最後に観覧車に乗って終わりにしますよ~」
小学校の遠足。担任の先生がそう言うや、周りがペアを作り始める。
2人乗りの観覧車。クラスメイトは僕を含め31人。1人余る計算だ。
今日、ここに来るバスの中で僕は吐いてしまった。それもあって今も皆、僕から距離をとる。
「ねぇ、私と一緒に乗らない?」
そう声をかけてくれた少女。クラスメイトじゃない。
誰?と聞こうとした唇を人差し指で塞がれる。
「早く乗ろっ」
少女に手を引かれ、観覧車に乗り込む。
「楽しいね」
長いようで短い時間。僕はずっとドキドキしていた。
「ありがとっ!また一緒に乗ろうね!」
観覧車を降りると少女は去った。
入れ替わるように焦った様子の先生が駆け寄ってきた。
「一体どこにいたの!?」
僕は観覧車を指さす。
そこで気が付いた。観覧車のゴンドラは15個。
どうやら僕は、いる筈のない少女とある筈のない観覧車に乗っていたようだ。
公開:24/04/19 20:57

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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