野外博物園

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招待状をもらったので行ってみた。電車を乗り換え、郊外バスで三十分揺られて丘に着いたのは夕方だった。
「お待ちしておりました」
執事風の男が丁寧に迎える。鉄扉の門をくぐると草原が続く。
「当園ではやがて廃れるモノを展示しています」
「屋外展示ですね」
「自然風化する状態を見てもらえます」
道端に円筒形の赤いポスト。「郵便ポスト」とプレートに説明がある。さらに進むとフライドチキン店創業者の人形が立っていて説明プレートをぶら下げる。
ベンチとテーブルがあり座る。昔のゲーム付きガラステーブルと書いたプレート。
「喉が乾いたでしょう」コーラ瓶にも小さなプレート。
また草の道を歩くと「寝台」のプレート。鉄の脚で白い綿布団。ベッドではなく寝台。夕暮れて空には星がまたたく。
「草原の寝台って不思議な光景ですね」
「風が気持ちいいですよ。今夜はここでお休みください」
気がつくと胸にプレートがかかっていた。
その他
公開:24/04/17 14:58

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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